仕事の長さと幸福感

我々の仕事のうち、いわゆる「受諾開発」な仕事は期間で分類すると大きく二通りある。
一つはここ数年最も多くを占める、半年以内のスパンで切り換る短期の開発案件。発注もフェイズ毎に細かく分かれていることが多く、作りっぱなしで瑕疵期間を超えたら対応完了であり、内容としては新規Webサイトの立上げやリニュアルなどが多い。
もう一つは1〜数年でリプレースまで持っていく大規模案件だ。この規模の仕事はリプレース後も保守/メンテナンスをサービスとして提供を要求されることがあるため、場合によっては5年以上も同じ仕事に就くケースもある。内容としては大企業や官公庁のインターナルなシステムが殆どだ。

個人の気質や性格にもよるだろうが、我々はどちらの仕事に就いた方が幸福なのだろうか。

短すぎる仕事は落ち着かない。カットオーバは絶対だしプレッシャーも強いし、スケジュールに余裕が無いので腰を据えて開発できない。開発が完了しても充実感はあるが、ここをもう少し作りこみたかったという心残り感が必ず付きまとう。その時の最新の技術を使って開発することが出来るので刺激が多いが、期間が短いために身に付かないことも多いし仇花的な技術を使って開発しなければならないことがある(得てして自分達が使う技術を選定できない、又は選定する立場に無いことが多い)

長過ぎる仕事は停滞する。腰を据えて一つの技術に挑めるが、当時は最新の技術であっても気がつくと陳腐化してたり市場から消えつつあったりするし、エバーグリーンな技術だったとしても自分がやりたいものかどうかはまた別だ。それに、仮に自分達が設計しない場合、そもそもどこぞのコンサル会社の要件定義や概要設計が最悪なのが解っていても、実装した以上、リプレースした以上はシステムのライフサイクルが終了するまでは面倒を見る必要があることが多い。顧客にもよるが、その間新しい要素は一切無い。そんな中で長年に渡って同じような仕事をしていると、いつしかスキルもモチベーションも無くしてしまう可能性がある。

丁度良いのは1〜2年で開発を完了して瑕疵期間の面倒をみたらまた新しい仕事に就くことだと思うが、そんな都合の良い仕事ばかりとは限らないしな。