FeliCa Liteの適性
FeliCaとFeliCa Liteのプロトコルをひと通り実装したが、FeliCaに比べてFeliCa Liteは劣っているということではなく、用途で使い分けるべきものだと言うことが判る。
FeliCaとFeliCa Liteの違い
FeliCa | FeliCa Lite | |
---|---|---|
コマンド | Polling, Request Service, Request Response, Read Without Encryption, Write Without Encryption, Request System Code, Autentication1, Authentication2, Read, Write | Polling, Read Without Encryption, Write Without Encryption |
ファイルシステム | エリア/サービス/ブロックの論理階層構造 | エリアは無くサービスは固定、ブロックのみ |
サービス種別 | ランダム、サイクリック、パース、それぞれにリード/ライト又はリードオンリーアクセス | ランダムのみリード/ライト又はリードオンリーアクセス |
ユーザ領域(最大サイズ) | フォーマットに依存、154ブロック以上、2〜9Kbyte | 固定のスクラッチパッド領域、16byt×14ブロック(224バイト) |
システム切り替え | 有り | 無し |
セキュリティ | Autentication1及びAutentication2コマンドによる相互認証(非公開) | MACとIDによる片側認証 |
コスト | フォーマットに依るが@¥1000〜 | @¥300程度 |
この違いを見れば判るように、FeliCa Liteが優れているのはコストとシンプルさである。FeliCaの1/3程度のコスト(IDmしか使わないなら1/4以下)しかかからないため、格納するデータ容量が少なくて構わない(200バイト未満)、そもそもデータの書き込みが不要なケース、データの改ざんをリスクと考えないケースではFeliCaはオーバースペックでありFeliCa Liteの方が向いている。また、ユーザに開放されているデータブロックは固定なのでプログラミングがシンプルで簡単になる。
逆にFeliCaは複数種類のデータをある程度の量格納する、データの改ざんが許されない、データ構造から設計したいようなケースに適している。
前者は各業種で使用される在庫管理、資産管理や社員の勤怠管理等の一般的なサービスに向いていることが判るだろう。後者は言うまでもなくPASMO/SuicaやEdy等の複数種類のデータ(施設、お金、時間)と個人情報の絡む複雑なシステムに向いている。