ハイパーコンセプションタイム

突然だが、人間には思考が通常時よりも段違いに効率よく行われる時があり、それには特定の行動パターンが影響しているように思う。
そのような超思考の時間を仮に「ハイパーコンセプションタイム」と呼ぶことにしよう。

例えば私の場合、ハイパーコンセプションタイムが訪れるのは帰宅してシャワーを浴びている時である。
髪を洗う際にはシャンプーを手に取り髪に馴染ませ、一旦流してもう一度シャンプーを手に取り、今度はしっかりと頭皮を洗い、その後コンディショナーを付けて丹念にすすぐ。

この一連の動作のために私の上半身はかかり切りであり、身体全体はとても忙しいはずなのだが、その時脳はシャンプーことなどは一切考えておらず、例えば今日発生したバグの原因が何かとか、明日の会議でプレゼンする内容とか、次に開発するサービスのアイディアなどをすさまじい勢いで考えていることが多い。良い解決策やアイディアが浮かぶのは大抵このときだ。同じような体験は通勤路を早足で歩いている時にも起こる。

この時考えごとをしている頭の回転の良さたるや、どんなに仕事に集中している時でもちょっと到達できない次元なのである。

思うに、髪を洗う動作や歯を磨く動作等の体が完全に覚え込んでルーチンワークと化した作業を行う場合、大脳皮質のいわゆる「運動連合野」は活動しているのだが、論理的な事を考えるとされている「前頭連合野」は殆どフリーの状態であり、そこから更に思考能力を押し上げるなんらかの秘密があり、これがハイパーコンセプションタイム状態を作り出しているのではないかと思うのだ。

この辺の事を真面目に研究した論文や読み物が無いかなと探しているのだが、中々見つからない。