Cancelability

先日はあるドキュメント作成ソフトの日本語版を購入しようと非常に著名なソフトウェアベンダーのストアサイトを訪れたのですが購入するどころか「二度とこねぇよプンプン!」な状態になってしまいました。


私はソフトウェアのダウンロード販売という形態がとても気に入っています。余計なパッケージ、というか箱が邪魔だしソフトウェアという商品の特質を考えた場合に最もそれらしい販売の方法だと思っているからです。そんな訳でソフトウェア、特にマニュアルの必要の無い簡単なユーティティソフト等はまずはオンラインでダウンロード販売しているサイトが無いかを調べることにしており今回のソフトウェアもダウンロード販売から購入することにしたのです。


ソフトウェアのダウンロード販売は利用者が以下のような手順で取引きを行うことが多いのではないでしょうか。

1.商品を選択してカートに追加する
2.カートの内容を確認する
3.個人情報を入力する
4.支払い方法を選択する(カード、代引き、振り込み、etc.)
5.購入する意思の最終確認をとる
6.なんらかの形でユーザにソフトウェアのダウンロードを促す
7.通知されたシリアルナンバーでライセンスを入力するかアクティベーションを実施

この手順でシステムのキモになるのはどの段階で取引きが成立したとするかでしょう。大抵は5.の最終確認の意思決定されなされた段階で取引き成立となる訳ですがダウンロード販売で考慮すべきなのはこの時点でまだ利用者側に渡っていない商品をデータという形ですぐに提供しなくてはならないことです。そこで手順6.に書いたように取引きが成立した利用者になんらかの形で商品であるソフトウェアを確実にダウンロードして貰うことが必要になります。(このおかげで物流というレガシーかつ時間のかかるフェーズをすっ飛ばせる素晴らしい利点が発生する訳です)
この点に関して私が過去に取引きした別なサイトのケースでは6.の段階では直接ダウンロードさせずにメールでダウンロードサイトを追って利用者に通知する方法を採っていました。利用者に通知されたそのダウンロードサイトは認証が必要ですが一定期間、回数内であれば何度でも商品をダウンロードすることができるので利用者の都合で好きな時にダウンロードできますしよくあるダウンロード時の事故(回線切れ、データ破損、etc)も回避できる利用者にとって利便性の高い良い方法です。

前置きが長くなりましたが今回利用したサイトで非常に問題だと感じたのは

・取引き成立後のソフトウェアのダウンロードに即時性が求められ、なおかつほぼ強制的だったこと
・ソフトウェアのダウンロードが利用者の都合でキャンセルされた場合やダウンロードが失敗した場合を考慮していないこと

です。私のケースではダウンロードのボタンを押したまでは良かったのですがその後ファィルを保存する場所を指定するダイアログが表示された後に誤ってキャンセルボタンを押下してしまったのですがその後二度とそのソフトウェアをダウンロードすることができませんでした。その後アカウント情報から購入履歴を見たのですがステータスは既に「出荷済み」となっておりすぐにでも決済されそうな雰囲気です。当然ですが媒体を発注した訳では無いので待っていても商品は届きません。

その後ユーザサポートにわざわざ電話をかけて事情を説明しましたがなにが気に入らないのかその場で再度ダウンロードさせてはくれず、かといって取引き成立のステータスもそのまま変えてくれませんでした。なぜそうなってしまったかがサイト側は不思議ならしく現在も調査中だそうです。(なぜそうなったのは不思議でもなんでもないんですけどね....)

同じようなシステムを開発するのを生業としている者から見てあまりに稚拙な作りに愕然とすると共に人ごとではないなと思ったのでした。