リアリティ(Royal de Luxe)


"The Sultan's Elephant" by Royal de Luxe (BGM : Decollage - Les Balayeurs du désert)

日本で紹介されてから随分時間も経っているようなので、知っている方も多いと思う。

最初見た時、私はこれを名も知らない曲のPVで、中で出てくる巨大な少女の人形はビョークのPVでよくあるような、演出のためにCGで描かれているものとばかり思ったのだが(曲も最初ビョークかと思ったくらい)、実際にはEUを中心に活動しているフランスの大道演劇団による興行の様子であり、これはCGなどではなく本当の操り人形だ。(BGMは動画の作者が雰囲気に合わせて後から付けたのだろうか?)

なお、このショーはきちんとストリー仕立てになっており、サン=テグジュペリの小説のように少女は最初この星に落ちてくる所から始まるらしいのだが、全てを見た訳ではないので解らない。※1
少し前にニュースで、タコとかイカの非常に精巧な操り人形の紹介があったが、これもフランスの遊園地(か博物館)だったはずで、フランス人形とはよく言ったものだが、この国の人形に対しての魂の入れようと職人の技は半端では無いなといつも思う。

もう一度見てみる。やはり凄いよ。単に大きい人形ならばどこにでもあるのだが、これは少女の人形がうっすらと微笑んでいるように見えたり、ちょっとしたしぐさが非常に研究されており、下手なCGには出せない圧倒的なリアリティ。あと、なんというか、大きな生き物に対する畏敬みたいな感覚とでもいうのだろうか、そんな感じすら受けるのだ。見ていると躁手がいるということなど忘れてしまう。(我々は何を以ってリアリティが高いと感じるのか、この人形はそれを理解するヒントになっているように思う。しかし、それが何なのかは私にはまだ解らない)

ロワイヤル・ドゥ・リュクス(と読めば良いのかな。なんか同名の著名なホテルがあったような気がする)、日本にも来てくれないかな。是非生で見てみたいものだ。※2

ちなみに、この動画のBGMになっている'Decollage'という曲のPV?もYouTubeで見ることができるが、こちらは動画程は面白くない。

※1 2006年にロンドンで公演された際の写真が掲載されているサイトを見つけた。ここで大体のストーリーが解る。
The Sultan's Elephant - Central London 4-7 May 2006
本当に4日間かけるんだな。凄いな、凄すぎる。
なお、興行では演出として、このことをネタにした新聞が4日間分配布されるそうだ。(同サイトではその時配布された新聞をPDFで見ることができるが、どうやら筋書きとしては、少女はスルタンつまり王様の夢の中に出てくるのであり、王様は象でその少女を探しに行く〜みたいな話らしい)

※2 興行するにはそれなりに大きい通りを4日間完全に封鎖する必要があるそうだ。日本じゃ厳しいかな。