AppCode 1.5


3/13にリリースされたAppCode 1.5を早速試してみた。
一番の興味は、私が問題としていた3つの不具合がFixされたかどうかである。

突然無応答になることがある

コーディング中は無くなったが相変わらずデバッグ時などに無応答になる時間がある。しかし、今日いろいろ試して判ったのだが、私が無応答だと思っているだけで実際にはなんらかの原因で本当にデバッグが止まっていることもあった、ということだ。
現在のAppCodeは実行時の視覚的な訴えが薄い(何かが起きてもコンソールで確認するしかない)ので、処理の中断に気がつかないだけなのかもしれない。

コード補完が効かないことがある

これは改善された。無名カテゴリのメソッドが補完されなかった不具合も含めて、使っている間で期待した時にコード補完が動かないケースは無かった。キャメルケース補完も効き、元々の同社のIDEの売りである自動インポート機能(OPT+ENTで必要なヘッダをインポートできる)や自動生成機能(ヘッダにメソッドを追加するとモジュール側のプレースホルダを自動的に生成してくれる)と合わせて、非常にコーディングを快適にしてくれる。

TestSuite(全てのテストの一括実行)が出来ない

これも改善されたようだ。AppCode1.5ではテストプロジェクトの全てのクラス、メソッドのテストが動くことを確認した。
しかし、本当に1.5で修正されたのか今ひとつよく分らない。というのも1.5で以前に評価に使用したプロジェクトを開いた所ではやはり全てのテストを実行できなかったのだが、その後何度か実行しているうちに出来ていたのである。うーんわからん。


以上、一番問題視していた不具合もFixされており?、これならばXcodeの代わりを十分勤められるかなとも思ったのだが、実際にはまだXcodeに一日の長がある。

私が既にXcodeにかなり慣れてしまっていることもあるのだが、Xcodeが持つ「スワイプによるコードナビゲーション」は非常に操作性が良く、これがあるのと無いのとではコードの行き来にかなりの差が出るのである。

[Mac][Xcode]XcodeとLionの便利すぎる関係 - Kazzzの日記

スワイプ操作は一見も大げさに感じるだろうが、そこそこ慣れてくると指先をほんの1cm程度動かすだけでジェスチャを開始できるので、手をホームポジションに置いたままでまるでノートのページを捲るようにコード間を行ったり来たりできる。
そんなナビゲーション操作に慣れてしまうと、それまでのIDEが持つ普遍的なタブと前進/後退によるコードナビゲーションが古くさく操作性の悪いものに感じてしまうのだ。

あと、デバッガとテストに関してはブレークポイントで止まらなかったり、中々デバッグが始まらなかったり、デバッグ中に無応答になる等、AppCodeはまだかなり怪しい部分がある。まだバージョンは1.5であり、これからなのだろう。

以上、ざっと使った所トータルでは

・コーディング作業 : AppCodeに軍配
・コードレビュー作業 : Xcodeに軍配
デバッグ/テスト作業 : Xcodeに軍配

と評価する。AppCodeは元々Xcodeの全ての機能を置換することを狙っている訳では無いのでこれで良いのかもしれない。

双方のIDEともにまだまだ上っ面を使っただけであり、もっと使い込んでまた比較してみたい。