直球の日米格差

本日のNYYの試合(vsTOR)
Game Wrapup | yankees.com: News

ライトが故障した為にロスタ入りしたChien-Ming Wang(王建民)が好投。もっとアジアな投手だろうと思っていたのだけれど中継録画を見たらその印象は裏切られた。投球の内容はツーシームとスライダー、チェンジアップを軸にしたいわゆる典型的なMLBの投手だった。


日本だと直球といえばきれいな縦回転をしている真っ直ぐな球道でありそれはMLBでは「フォーシーム」と敢えて言われる。MLBの場合はこのフォーシームを投げる投手もいるのだが殆どの投手の直球は利き腕の方向や下方に変化する"シンキングファストボール"なのだ。日本のプロ野球の解説では良く「う〜ん直球がシュート回転してますねぇ。あれではいけません、威力が無いんです」と評されるのを聞いたことがあるだろう。この解説を聞いて「なんで同じ球速なのにシュート回転すると威力が落ちるの??」と不思議に思った人は多いのではないだろうか。同様に、「スライダーは打たれると良く飛ぶんですよ」という不思議な解説や「彼の直球は重い球質なんですよねぇ」なんていう物理法則がふっ飛んでしまうような表現もある。ようは経験を元にした感覚で評論している訳で日本独特な野球論だ。既に想像が付くと思うが直球が「重い」と感じるのは打った時にバットの芯を外しているに過ぎない。
MLBではその「威力の無い」とされるツーシームが一番「ハード」な球種として使われることが多いのが面白い。実際150km/hを越える速度でシュート回転するシンキングファストボールは威力が無いなんてとんでもない。少し内角に捻ればバットの芯を外すどころかバラバラにへし折るのだし、外角に外れたと思ったら鋭く曲がってストライクをコールされる。MLBに行った日本の野手が一年目にまともな打撃成績を残せないのは大抵はシンキングファストボールへ対応できないのが原因とされる。


それにしても松井選手...打てないな。今日も4の0だし。
松井選手が打ってNYYが勝つのが一番だとすると二番は

  • 松井選手が打てないけどNYYは勝つ
  • 松井選手は打ったけどNYYは負ける

このどちらだろう。松井選手が好きな人は多分前者を取るのではないだろうか。
ここがイチロー選手を好きな方との決定的な分かれ目だと思うのだが。