名ばかりコンペ

我々の業界でも最近では案件の見積を競争入札にかけるコンペティション、いわゆる「コンペ」が当たり前のようになっているが、本当の意味での健全なコンペティション(競技)は殆ど行われていないのではないか。

コンペといっても殆どは単なる「相見積」「合いみつ」であり、本命の発注先は既に決まっていることが多い。※1 それでもコンペと言うのは、発注元がその価格を信用できないか又はより低く叩きたいがために、本命以外の業者に競争入札の形を取らせたいからである。これは、いわゆる「当て馬」であり、発注内定業者以外は報われない見積を作らされることになる。非常に不毛な作業だ。※2 

私も純真な頃はコンペティションといえば建築業界のデザインコンペのようなものを想像していたのだが、そんなものはこのかた見たことがない。いい加減この構図に嫌気がしているのだが、私の周りだけとも思えないし、これは業界の予定調和なのだろうか。

というか、我々の業界では、上で書いたところの相見積こそがコンペだと思っている人が殆どではないだろうか。


※1 要件定義や基本設計を行った業者(大抵はSIerか配下のコンサル)がそのまま内定、又は発注先を決めることが出来るケースが多い。
※2 当て馬の役割までが事前に仕組まれている場合、談合ということになる。