ASUS Eee Pad TransformerとMTPデバイス
Android 2.2(Froyo)以降の端末であれば端末をPCに接続すると以下の様に腕をUSBマークに変えたドロイド君が表示されて、ボタンを押下することでSDCardとしてマウントされている領域(本当にSDカードデバイスである必要は無い)がPCから見えるようになる。
しかしAndroid 3.0である本機にはそのような機能は無くPCと接続してもそれを通知するだけで、PC側には新たなドライブは見えてこない。
Windows PCと本機は接続することは出来ない、データを交換するにはDropbox等のクラウドサービスを使わなければならないと思っただろうが、そうではない。
実はPCと接続した本機はMTPデバイスとして既に認識されている。
- MTPデバイス
MTP(Media Transfer Protocol)は、ポータブル機器とWindows PCを接続するためにMicrosoftが開発した技術仕様。ファームウェアレベルで製品に組み込むことで処理が可能であり、PC側にデバイスドライバが不要なのが特長。静止画、動画、音楽などのデータをデバイスドライバなしでPCから転送できるようになる。MTPはWindows XP以降で有効であり、対象機器としてはディジタルカメラ、メディアプレイヤー、携帯電話等が主な対象である。
Windows7の「デバイスとプリンタ」で見るとよくわかるが、Android 2.2以降のスマートフォンはWindows上では「USB大容量記憶装置」つまりストレージとして認識されている。
しかし本機はMTPデバイスとして認識されているのである。
MTPデバイスとして認識されているEee Pad Transformer
プロパティを開くと「Transformer TF101」として認識されているのが分かる
MTPデバイスはストレージでは無いので、Windowsのボリウム/ファイルシステムに直接マッピングはできないがMTPデバイス側として本機がマウントされたSDカードをエクスプローラで参照、データの相互コピーが出来る。※
エクスプローラでも本機でマウントしたSDカードデバイスは参照できるが、UNCパス"Transformer\\devicestorage"等で参照することはできない。
なお、Windows MediaPlayerはMTPデバイスに対応しており、メディアファイルの同期を行うことができる。
ということで本機はAndroidスマートフォンのようにファイルシステムとしてはマウントできないものの、MTPデバイスの機能を使ってPCとデータの同期、交換ができる。
※Transformer側で空のディレクトリを作ってもPC側では認識されなかった(表示されない)