必要悪

さすがに「バカ専用フレームワーク」というのは言いすぎだと思う。

昔、プログラマの能力の格差を埋めることを目的の一つとしたフレームワークを書いたことがある。
確かにある程度のスキルを持つプログラマのモチベーションは削がれる傾向にあったが、

・一定以上の生産性(3〜5日で1本テスト完)を保つことが絶対に必要だった
プログラマにオープン系の開発経験のある人が殆どいなかった
・納期の関係でレビューの時間が殆ど取れないことが判っていた

これらの厳しい現実があったこともあり、当時は仕方が無いと思っていた。

でも今はちょっと違う。

プログラマの能力は一定ではなく刻一日と変わるものであること、チーム内で一種のケミストリが働いていれば数人の能力の差は大して問題にはならないことなどが判れば、最初の目的の優先度はずっと低くなる。また、ある技術等を指して、これは難しい、メンバーにはまだ無理だと思うのはこちらの勝手や思い上がりであると自覚することが必要だということも解った。今日は判らなくても明日には解るかもしれない。

日本の企業のトップの殆どは、システム開発に於いて最も重要なものの一つが、個人の能力に依存したプログラミング作業であることは理解している。と同時にそれが0になってくれれば、つまりプログラミングという仕事が無くなればみんな幸せになるとも思っている(これは大きな勘違いである)。従って、このような要求(生産性向上、能力格差の緩衝を含めた省力化)は今後も無くなることはないだろう。

そんなトップを説得していくのも技術者の仕事だ。